田鯉のすずめ焼き
長野県松川村は、女性も男性も長寿日本一の村です。その村では、昔から田鯉(たごい)農法と言って、水の張っ田に鯉を離し飼いにして、稲の間に生える雑草や害虫を食べてもらい無農薬で育てるという方法を行っている。合鴨農法と比べると、合鴨の場合には稲がまだ小さいときには合鴨に食べられてしまいある程度、稲が大きくなるまで鴨を放てないが、鯉の場合には小さな苗のときから飼うことができます。そして、鯉に土をかき混ぜてもらうことにより酸素や栄養分も行き渡りよく育つのです。
そして、無事役目を終えた田鯉は収穫の秋に美味しく食べることができます。海が近くにない長野県では魚は貴重でした。古くから祭りの時に振舞われる伝統食です。
「田鯉のすずめ焼き」とは、鯉を背中の方から開いて焼き、油で二回揚げてから、タレにつけて食べる方法です。その昔、すずめは背開きにして食べていたらしくそこからのネーミングだと言われています。全国的にも、鯉を揚げるという料理方法は相当に珍しいですね。
田鯉は、普通の鯉よりも小ぶりで全長7〜10cm程度のものです。その分、身がしまってとっても美味しく、酒の肴にもぴったりの珍味と言われれております。
長寿の理由:減塩と野菜は重要
平林村長さんは、長寿の理由を「自然が豊かで、毎日畑仕事をして自分が作った農作物を食べています。また、人と人との日頃からの繋がりが大切ではないでしょうか。昔から続いている村の暮らし方が長寿日本一になった理由ではないでしょうか。」と話されているようです。
保健補導員制度の発祥の地が長野県です。長野県では、国勢調査を基に、健康で長寿に関係がある4つの要因を挙げています。第1に、全国1位の高齢者有業率です。第2に、男女共日本一の1日あたりの野菜摂取量です。長野県は、葉物野菜の生産量が全国1位です。第3に、保険補導員や食生活改善推進員による健康ボランティアの活動です。そして第4が、保健師の数が人口10万人あたり69.5人と全国1位なのです。この健康ボランティアの活動により、長野県では塩分摂取目標は1日9グラムと決めて、減塩運動に取り組んだことも、脳血管障害による死亡率や発症率を減らすのに一役買ったことはまちがいないでしょう。