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高血圧にまつわる嘘シリーズ(第3章): 症状

5.高血圧による症状

 さて、高血圧をもっている方は何か症状があるのでしょうか。

<ウソ6>高血圧になるとなんらかの症状がある

あなたは、高血圧になったらどんな症状がでると思いますか?

頭痛、吐気、嘔吐、肩こり、めまい、耳鳴り、ふらつき、動悸、息切れ、眼のかすみ。

いずれも間違っています。高血圧は、全くの無症状です。

英語圏では、”silent killer ”って呼ばれるのです。
直訳すると「無口な殺人者」です。
もちろん、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)もsilent killerなのですが、高血圧は特に脳卒中の最も大きなリスクになるので、症状も何も無いから自分は大丈夫と思っているあなた!

会社の健康診断で、血圧が少し高め(例えば140/90mmHg前後)と指摘されたあなた!

そして、単に血圧が高いだけなのに何を大騒ぎしなければならないのかと馬鹿にしているあなたも要注意です。

血圧をあなどっていると大変な事態を招くことになりますよ。

その「大変なこと」ことにつきましては、後の章でお話いたします。

血圧は、毎日といいますか、常に心臓、動脈に高い圧を掛け続けています。

毎日、毎日の悪い積み重ねが災いをもたらします。塵もつもれば、ですね。

これがいわゆる「生活習慣病」といわれるゆえんですね。

毎日の悪い習慣の積み重ねです。

って、話をしてると

「最近は、健康食品やサプリメント、特定保健用食品(特保)など高血圧に効くものがあるので薬は必要ない」

何て、言っている方がいるようです。

しかし、我が国では、医薬品以外のものはすべて「食品」に該当し、食品に対して医薬品の様な効果を表示することは原則として認められていません。
ただし、特定保険用食品(特保)などについては、例外的に限られた範囲で特定の保険機能や栄養機能を表示することが認められているのです。
その特保にしても、特保であることを明示するとともに、疾病の診断、治療あるいは予防に関わる様な表示をすることは禁じられています。
すなわち、「病気を診断する」「予防する」「治療する」「軽減する」などの表現は許可されていないのです。
まして、健康食品やサプリメントは、たんなる食品と考えた方がいいですね。

 健康食品自体に有害な作用が無くても、患者さんが自己判断で、病気の治療効果があると判断して利用すると、本来の薬の中断や治療の放棄に繫がることがあり非常に危険です。
さらに、健康食品に添加されている成分が、使用している薬と相互作用を起こして、薬の作用を強めたり、弱めたりすることがあり大変危険なのです。死亡事例も報告されています。
最近「紅麹」による死亡事故は、皆様もまだご記憶に新しいと思います。

<ウソ7> 健康食品やサプリメントで高血圧は良くなる

 

Dr HT: