高血圧の人がよく鼻血を出すのか?、鼻血が出たら高血圧を心配するのか?
これって、どうなの?
どちらもあまり正しくないのかもしれません。高血圧の人は確かに、動脈硬化が強くなっているため血管が脆いのは事実ですが、だから鼻血がよくでるわけではないでしょうし、鼻血が出た人が高血圧であるということも言えないですね。
むやみな心配は高血圧でない人でも、血圧を上昇させますし、高血圧の人ではなおさら血圧があがりますね。落ち着いて対処することの方がはるかに大切になります。
通常の鼻血
大抵の鼻血(90%)は、”キーゼルバッハ”と言われる鼻真ん中(鼻中隔)にある特定の部位からの出血で、この場合は、座ったままで正面を向いて、鼻を少し上の部分でしっかりと親指と人差し指でつまんで、10分くらいじっと押さえていれば止血します。
頭を低くしたり、仰向けに寝てしまいますと、血液が喉の奥のほうに流れこみますので飲み込んで気持ちが悪くなって吐いたりして、血圧が下がってさらに気分が悪くなってしまいます。
後頭部をトントン叩いたりするのも間違いですよ。
慌てて救急車を呼んだりするのではなく、落ち着いて上記の方法をとればまず止血します。
動脈性の鼻血
ところが、高血圧があるかどうかに関わらず、鼻の奥のほうの比較的太い動脈が切れて鼻血が多量に出てどうにも止まらない場合が稀にあります。
この場合は、上記の方法では簡単には止血できませんので、救急外来での専門医の処置が必要になります。
その他特殊な鼻血
腎臓病、肝臓病、白血病、血小板減少、血友病などの疾患によっても、血管がもろくなったり血液の成分の変化により血が固まりにくくなるための出血があります。こういった場合には、皮下出血が起こったり歯茎からも血がでやすくなったり他の出血傾向を伴っていたりしますので、内科などを受診されてよく相談されるのが良いでしょう。
さらに、上顎洞がんや上咽頭部の腫瘍(良性あるいはがん)による場合もありますので、繰り返す止まりにくい鼻血も要注意です。