ネットで高血圧 症状 チェックとかで、検索すると高血圧になりそうな人のセルフチェックみたいなのがたくさん出てきた。 私は、医師として思いました。こんなのチェックしても何にもならないなあ、と。そんなことする前に、血圧計買ってきて、自宅できちんと正しい方法を学んで測定した方がいいじゃん。もし、チェックしてリスクが低かったらほっとくんですか? 逆に、リスクが高かったら病院に駆け込んで治療してもらうんですか。意味ないです。何の目的でこんなサイトがいっぱいあるんでしょうか? よく見てみると企業がらみです。純粋に患者さんの役にたつからという目的だけではないですね。うーん、こういうのは困るなあ。テレビを見てても、えー、こんな食べ物で血圧下がらんやろ!画面の端に小さい字で「個人の感想です。」って書いてある。つまり、必ずしも効かないよと言っているんですね。健康な人が試すのは問題ないとしても、高血圧の人が一生懸命、そんな食べ物ばかりを摂取したり、挙げ句の果てに薬も自己判断でやめたり、減量したりするんですよ。いい加減にして欲しいですね。
一方、病院の医者も医者で、肥満があって、メタボリックシンドロームに人に、何の指導もしないでいきなり薬を処方して、これで血圧を早く下げないと大変なことになる、とか脅すだけ脅して薬を処方するのもどうかと思います。
エピソード:メタボの人がダイエットだけで正常血圧になった!
これは、私が経験したすばらしい患者さんのお話しです。
その方は50歳代の男性です。その男性のお兄さんを私が手術したことで、私の外来を受診されました。身長170cm 体重は85kg で、BMI=29.4もあり、腹囲93cm 高血圧 脂質異常を伴った完全なメタボリックシンドロームでした。主訴は、めまいでしたが、体型が一番の問題で、MRI検査をしても脳には異常を見つけられません。通常の医師は、「食事療法と運動療法をしてください。」とか言うだけで、「血圧がかなり高いのと脂質異常がありますから、XXとYYの薬を詳報しておきますね。治療しないと脳卒中や心筋梗塞を発症しますから。。。」とか言って脅すだけ脅して治療しようとするのですね。
私は、そういう医療が間違っていると思いますよ。患者さんの生活習慣をきちんと改善しなければいくら薬を処方しても決して、体の内部環境はよくなりません。私は「魂」が「浄化されない」とよくいうのですが、具体的にどういう食事療法をするのか、どういう運動療法をするのかということをきちんと指導できる医師であるべきだと思います。
この患者さんは半年後にどうなったと思いますか? 身長はもちろん変わりませんが、体重をなんと63kgにして、私の外来に現れました。私は、最初その方だと気がつかないほどスマートになられていたのです。そして、腹囲も正常、血圧も正常、脂質の値も全く正常になっていたのです。 数年経った現在も私の外来に通院しておられます。もちろん、薬は全く飲んでませんが、半年ごとに体重、血圧の記録を持ってこられるのです。私は、その度に採血して、脂質などのデータをチェックしております。 本来の予防医学がいかに大切かを思い知ったエピソードです。
現代の医療は、薬と検査をたくさんして稼ぐしかない病院のやり方は間違っています。それは医療ではありません。 これが、「保険診療」の大きな問題点ですね。