高血圧にまつわる嘘シリーズ(第2章):血圧測定

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3.高血圧の定義

 まず、高血圧ってなあに?ってところから行きましょう。

簡単には、診察室で血圧を測定して140/90 mmHg 以上の場合を高血圧症と言います。

家庭で測定した場合には、135/85mmHg以上の場合を高血圧症と言います。

その他にも、家庭血圧測定ができない場合には、公共の施設にある自動血圧計や職場や、薬局などにある血圧計で自己測定された血圧が有りますね。これを「24時間自由行動下血圧」と言って、この場合の高血圧の基準は、少し複雑ですが、24時間平均130/80mmHg以上、昼間平均135/85mmHg以上、夜間平均120/70mmHg以上ということになっています。

 しかし、そもそもこの140と90っていう数字は何?

医療関係者であれば、こんなこと当たり前だと思っているわけですが、一般人は違います。

では、この基本的なことから説明していこうと思います。

140の方を、最高血圧または収縮期血圧といい、90の方を最低血圧または拡張期血圧と言います。収縮期血圧は、心臓がぎゅっと収縮して縮んだ時の動脈の圧で、拡張期血圧は、心臓が収縮した後、拡張した時の動脈の圧になります。

では、どうやって測定するのでしょうか。昔から有る血圧計は、水銀血圧計と言って、棒状のガラス管に水銀の入った器具を使って、腕にマンシェットと呼ばれるものを巻き付けて、カフで空気を送り水銀の高さをあげて行き、聴診器で動脈の脈打つ音(この音をコロトコフ音と言います)が聞こえ始める圧が最高血圧、聞こえなくなる圧が最低血圧として測定していました。ですから、血圧の単位は、mmHgで、これをミリエッチジーと読みます。すなわちHgとは、水銀の元素記号です。ちなみに、元素記号の「H」は、 hydor(ギリシア語:水)であり、「g」は、 argyros(ギリシア語:銀)に由来します。そして、常温で液体である唯一の金属なのです。

話が、かなり本題からそれましたね。でも、こういう基本的なうんちくを知っていることは大切です。最高血圧、最低血圧どちらか一方でも、高いと高血圧症です。

4.血圧の家庭での測定方法

 では、血圧はいつ、どうやって測りますか。

家庭で測る場合には、朝は、起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬や朝食前、座位12分安静後です。夜は、就寝前に座位12分安静後に測定します。

この際、特に冬などでは、冷えきった寒い部屋で計ると極端に血圧が上昇することがありますができたら、ある程度は暖かい部屋で測定するのが正しいですね。そして、原則1機会につき2回測定し、その平均値をその機会の血圧値として用います。

以上のことをふまえて、結局高血圧の診断は、下図のように分けて考えられます。

仮面高血圧は、診察室外血圧のみが高いものをさします。家庭での生活様式、アルコールの多飲、起立生高血圧、精神的ストレス、循環血液量の増加(特に夜間で、心不全、腎不全など)、睡眠時無呼吸症候群などが関係していると言われています。

白衣高血圧とは、診察室血圧が高血圧であっても診察室外血圧は、正常である状態でただちに降圧治療の対象とはなりませんが、将来高血圧になっていく可能性が高いことから、家庭血圧による継続的なフォローが必要です。

 

すなわち、必ず治療が必要になるのは、高血圧、仮面高血圧と言うことになります。

そこで、

 

<ウソ4>家でだけ、あるいは診察室でだけ血圧が高いのは、高血圧ではないので、放置してよい。

 

これは、だめですね。もうお分かりかと思います。

もう一つ、

 

<ウソ5>家で血圧を測る時には、寝たままで安静にして測るのが正しい。

 

 

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