高血圧の薬(降圧剤)を内服し始めた理由は?
まず、あなたが高血圧の薬を内服しだしたのはどうしてでしょうか?
次のような場合が考えられます。
- 会社の健康診断を受けたところ高血圧を指摘された。
- 風邪とか発熱でかかりつけ医を受診した時に高血圧を指摘された。
- 家族が高血圧で家にある血圧計で自分も測定すると高いことに気がついた。
だいたい、こう言った理由だろうと思います。
では、上記の場合、降圧剤を”直ちに”内服する必要があるのでしょうか?
答えは”No”です。血圧は、生理的にも変動しますので、一時的に高血圧の範疇に入ることは正常血圧の人でも十分にありえることです。では、どうなった時に薬(降圧剤)が必要になるのでしょうか。それは、継続して測定した血圧が高血圧の定義を満たした時です。継続してというところの定義ははっきりしていませんが、私はまずは1ヶ月を目安にしています。
毎日、ご自宅で朝、夕に血圧を測定していただくように指導します。そのために「血圧手帳」をお渡しして、毎日記録していただきそれを病院に持参していただくのです。また、ここで重要なことがあります。それは、測定の方法です。
- 朝は、起きて1時間以内、トイレを済ませてから、朝食前、内服前です。
- 血圧計は心臓の高さに置いてください。
- 座位で測ってください。
- 朝の血圧が一番大切です。
- 午前中に、脳卒中と心臓の病気の発症率が高いからです。
そして、継続記録した値がやはり高血圧の範疇に入るのであれば、初めて降圧剤を考慮します。世の中の医師には、上記の1回の血圧高値で処方するとんでもない医師がいることも事実です。あなたは、そのような目に遭わないように、この私のブログでしっかりと勉強していただきたいと思います。
もし、高血圧のリスクがあれば。。。
これまでにも私のブログで述べてきたような、高血圧を発症させる原因がはっきりしている二次性のものであったなら、降圧剤を内服するにしても一時的であり、明らかな原因が除去されれば、高血圧は治癒することになるでしょう。
また、肥満、肉体的・精神的ストレス、喫煙、脂質異常症、痛風、糖尿病、偏った食事(塩分の過剰摂取)、アルコールの過剰摂取など、高血圧のリスクがあるのであればこれらを徹底的に改善してみることも相当重要事項だと私は思いますし、患者さんにもきちんと時間をかけてご説明いたします。私のブログにもすでに掲載済みですので、少し記事を探してみてください。かなり、お役にたつ内容が満載ですから。私は、これらの努力を3ヶ月くらいはしていただくことにしております。
それでも血圧が下がらなければ。。。
その時に、初めて降圧剤を処方するのが良医であると私は考えます。もはや、それは患者さんの頑張りがきかない状態ですから、ここまで頑張って出来なければ、薬の力を借りるしかないですね。
さて、本題の降圧剤をやめるとどうなるのでしょう。
高血圧の薬をやめるとどうなるのか?
脳神経外科医としての経験からすると、それは自殺行為と言っても過言ではありません。
ネットを調べるといろいろ書いてますね。
- 一生薬を飲み続けると副作用で体がボロボロになってしまうと脅す
- 一生飲み続けると高額になるので大変と脅す
そして、以下のようなものを買わせる。
- 特定の健康食品やサプリメントに誘導して購入させようとする
- 特定の健康器具や医療用機器に誘導して購入させようとする
こういうパターンばかりです。
高血圧は、無症状で経過し、臓器障害をきたすようながんで言えば”末期”にならなければ発症しません。発症した時には「脳出血」「脳梗塞」「心筋梗塞」などで、片麻痺で寝たきり、悪くすると死亡。
確かに、毎月の薬代も高いかもしれませんが、それよりも桁違いに高いのは、発症してしまってからの手術代や治療日ですよ。さらに、それからも追加の薬が処方されこれらは内服しなければそれこそ死ぬかもしれません。脳外科医の私は、こう言った不幸な人たちを嫌と言うほど見てきたのです。下らない、ネットやテレビの宣伝、無責任な雑誌の広告に惑わされることなくきちんと内服は継続してください。
それには、内服する最初のあなたの、意識が何よりも大切であることが、ご理解していただけましたら幸いです。