高血圧、糖尿病、脂質異常症の食事制限:脳外科医の経験

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エピソード:私の経験

いわゆる生活習慣病と言われる、高血圧糖尿病脂質異常症のうち2つ以上を持っている肥満症(BMI値>25)の方は、メタボリックシンドロームと呼ばれます。こういった人は、私の外来にもたくさん来られますし、脳ドックをしてもしばしば見かけます。こういった人は、病院にとっては非常にありがたい患者さんになります。私は、勤務医ですので、病院の収益がどうなろうがあまり実害はないのですが、こういった生活習慣病は、普通、薬を幾つか内服することになります。一旦内服を開始しますと、ほぼ死ぬまで内服を余儀なくされるため病院にとっては、死ぬまで一生のリピーターになっていただけるのです。だから、お客様として考えるならば理想的です。しかし、医師として良心をもってこの患者さんと相対するならば、薬を処方する前に必ずと言ってもよいくらい、教育するべきことがあると私は思います。そして、外来患者さんでも入院患者さんでもきちんと説明します。そうすると、説明が長時間におよび30分間を超えることも普通に起こってきます。

生活習慣病と言っている訳ですから「生活習慣」に問題があるのは明らかですよね。しかしながら、患者さんはそれに気がついていないとしか言いようがない生活をしているのです。メタボリックドミノと言う言葉があります。これは、肥満による内臓脂肪の増加によってインスリン抵抗性が増加して代謝に不均衡が生じます。それによって、高血圧、糖尿病、脂質異常症のすべてが悪い方向へと向かっていき、そして、その悪循環をどこかで断ち切れば、生活習慣病は、見事に改善していくのです。

そのことは、私自身がメタボリックシンドローム一だったのでよくわかります。勤務する病院んの健康診断で、当時血糖値は 160mg/dl を超え、中性脂肪も高い値を示していました。身長は164cm にして、体重は73kg ありました。このままでは、脳卒中や心筋梗塞などで人生が短く終わってしまうかもしれない。医師としてやりたいことがまだたくさんあるので、なんとかしなければと真剣に思いました。また、この体型では、患者さんに対しても「生活習慣病」に対する指導ができません。第一、説得力がありませんし、具体的な指導もできないでしょう。

私ば、標準体重にするのを目的として、半年で14kgを削減しようと思いました。やるべきことは食事療法+運動療法以外にはありません。血統を下げる薬や脂質異常を改善する薬は、非常にたくさんのものがあります。しかし、そうやって見かけの値を正常化したとしても、体の環境、生活習慣は何ら変わってないのですから、よいはずはないのです。結局、4ヶ月でその目標を達成したのでした。

食事制限は、いろいろなことが言われますが、私は、ある程度バランスのよい食事であれば、カロリーを落とすことがすべてだと考えます。したがって、炭水化物と脂肪を制限することが第一です。私は、仕事柄、昼食を食べる時間が少ないので、いっそ昼食を抜いてしまうか、200kCalを超えない食事にしました。一般の人が失敗するのは常に、「継続」できないからです。私は、運動療法を加えることでナルシストになろうと思いました。だいたい5kgくらい体重が落ちると鏡で自分の体型をみても明らかにスマートになった自分を発見できます。私は、出っ張ったそのぶさいくな腹が、少しずつ凹んでいくのをジムトレーニングに行った時に大きな鏡で確認して悦に入っていました。そうやってモチベーションを保ちつつ頑張ったのです。

食事制限に特別な工夫は必要ないと私は考えております。最も大切なことは「継続」であり、それをクリアーするためには何を「モチベーション」に選択するかが肝になります。

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運動療法についてはまた、別の機会に記載いたします。

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