薬が効かない高血圧の原因はホルモン異常かも!ー褐色細胞腫ー

クリック矢印

クリックして応援お願いします!
↓↓↓↓↓

クリックして応援お願いします!

本シリーズーアルドステロン症ーおよびークッシング症候群ーにも記載しましたが、薬が効かない高血圧の原因としての”ホルモン異常”についてです。

褐色細胞腫(Pheochromocytoma)

本腫瘍は、副腎髄質あるいは傍神経節にできるカテコールアミンという物質を産生する腫瘍です。傍神経節にできる腫瘍を傍神経節腫(パラガングリオーマ)と呼びます。約10%に家族内発生(遺伝)が認められます。他に、副腎外発生が約10%、両側発生が約10%、悪性腫瘍が約10%、小児発生が約10%であると言われております。

高血圧患者さんの約1000人に1人が褐色細胞腫であると言われております。

次の3つに分類されます。

  • 副腎髄質の良性褐色細胞腫
  • 副腎髄質の悪性褐色細胞腫
  • 異所性褐色細胞腫

症状

カテコールアミンが多量に分泌されますと以下のようは様々な症状をきたします。代表的な症状として”Howardの3徴候”があります。以下の症状の最初の3つです。

これら5つを、5H病と言われることがあります。

問題になるのは、これらの症状が持続してある場合だけではなく発作的に症状が起こる場合が約45%に認められることです。その場合には、パニック障害のような精神症状が起こったり、頻拍、動機や死の切迫感といわれるような感覚を覚える方もあるようです。発作は、体位や腫瘍の触診、腹部の圧迫やマッサージでも誘発されると言われています。

高齢者では、治療に抵抗する高血圧があり、重度の体重減少が本症を示唆するともいわれます。

  • 高血圧:Hypertension
  • 高血糖:Hyperglycemia
  • 代謝亢進:Hypermetabolism
  • 頭痛:Headache
  • 発汗過多:Hyperhydrosis

診断

厚生労働省からも診断基準が発表されていますが、要は、画像で副腎髄質あるいは傍神経節由来の腫瘍の存在が明らかであることと、病理組織で、褐色細胞腫が確認できれば診断が確定します。

それまでに、行われる検査としましては、

  • 尿中アドレナリンまたはノルアドレナリンの高値
  • 尿中メタネフリンまたはノルメタネフリンの高値
  • クロニジン試験:(α2受容体刺激薬:α2受容体は末梢交感神経を抑制して、カテコールアミンの分泌を抑制します)正常の人や単なる本態性高血圧では、血中のカテコールアミンの濃度は減少しますが、褐色細胞腫の場合には低下しないことで診断がつきます。

画像所見としましては、腫瘍に取り込まれるMIBG(metaiodobenzylguanidine)をヨードの放射線同意元素でラベルしたものを利用したシンチグラフィーあるいはMRIによる画像にて腫瘍の存在が診断されます。

これらの検査の組み合わせで確定診断がなされるのです。

治療

腫瘍であるので、第一選択は手術による腫瘍摘出です。

良性腫瘍であれば問題は少ないですが、悪性腫瘍の場合には転移などの問題によりなかなか治療に難渋することも多くなります。

腫瘍摘出に際しましては、血圧の上昇に注意する必要があります。その際には、α1遮断剤とβ遮断剤を使用します。そして、術後には急にカテコールアミンが消失して低血圧をきたすことがありますので、昇圧剤の使用が必要になることがあります。

スポンサーリンク
336×280