尿への塩分排泄が低下
高血圧の原因として最近、尿に塩分を排泄する量が少ない人がいることがわかってきました。特にその原因として、閉経によるエストロゲンの分泌低下が関係していると言われます。エストロゲンは腎臓尿細管に作用し塩分の尿中への排泄を促進するのでありますが、その量が低下するために塩分の排泄量が減ってくるのです。つまり、閉経以後の女性には塩分の排泄低下が原因で血圧が次第に上昇してくる割合が多くなってきます。
一酸化窒素（NO）を増加させる方法
では、どうすれば尿からの塩分排泄を増加させることができるのでしょうか。
血管内皮に存在する一酸化窒素(NO)を増加させることによって、腎臓で排出される塩分の量を増加させることができます。
ではNOを増加させるにはどうしたらよいのでしょうか。簡単な方法があります。
少しぬるめ（41℃）のお風呂に入り、体温が１℃上昇するまでゆったりと体をあたためることにより、一酸化窒素の量を増加させることができます。体温が１℃上昇したことの指標として、首から上に汗が溢れてくるようになった時がその時です。全身の血流が良くなり同時に一酸化窒素の量も増加するのです。
一酸化窒素（NO）には、下記のような作用があり、抗動脈硬化作用を示すとされます。
１．血管平滑筋を弛緩させる。
２．血小板凝集を抑制する。
３．好中球などによる、スーパーオキシド産生を抑制する。
４．LDLやリゾホスファチジルコリン（LPC）が、マクロファージを血管内皮細胞に着さ
せる作用を抑制する。
５．LDLの酸化を抑制する。
６．サイトカイン（IL-8など）の分泌を抑制する。
７．細胞接着因子（VCAM1 セクレチン）の発現を抑制する。
これ以外の新たな高血圧の原因も、医学の発達と共に発見されることでしょう。
さらに、期待したいですね。
